トレードプランを作成しない、売買日誌もつけないFXトレーダーは勝ち続けることができません

トレード手法

あなたはエントリーするまでにどのような作業を行っていますか?

チャートを見るだけでエントリーする人もいるでしょうし、あらゆるニュースをチェックして、アナリストの意見を参考にする人もいるでしょう。

その行動を毎日一貫して行っていますか?
ちゃんとルール化していますか?

また、決済したあとにキチンと売買記録をつけていますか?
ただ「儲かった」「損した」で終わらせていませんか?

FXトレードで勝ち続けるためには、トレードプランと売買記録は必須です。

安定して勝っているトレーダーはエントリーするまでに殆どの時間を費やします。

それは、エントリーした後に考える余地を残さないためです。

お金がかかっているので、エントリーした後はどうしても感情的になってしまい、冷静で正しい判断ができません。

ですから、エントリーする前に全てのチェックを終わらせて、ルールに基づいたエントリーポイントがくるまでじっくりと待つのです。

そして、価格がエントリーポイントにきたら迷わずにエントリーを行い、その後はエグジットルールのポイントに価格がくるまで何もせずにじっと待つのです。

途中の値動きを見ながら次の行動を考えることはありません。
その判断が間違っていることが多いことを知っているからです。

では、どのようなことを行えばよいのでしょうか

トレードスタイルなどで違うとは思いますが、テクニカル派デイトレーダーの一般的な作業手順を紹介したいと思います。

トレードプランを作成する

チャート・価格の確認

まず、朝一でニュースをチェックします。

政策金利関連などの経済的なニュースだけでなく、テロや戦争、原油産地の事故などで大きく為替レートが変動するからです。

いくらテクニカル派はファンダを加味しないといっても、政策金利に対する要人発言などで新しいトレンドが発生する可能性がある場合は、逆張りを控えるなどの判断理由になります。

次に、主な経済指標の時間をチェックします。

「経済指標カレンダー」などで検索するとFX業者などのサイトがたくさん出てきます。

この中でも注目度が高い指標の時間はポジションを閉じるようにしたほうがリスクが少なくなります。

ポジションを持ったまま指標発表を迎えて、いい方向に行く場合もありますし、逆に行く場合もありますが、スプレッドが大きく開いて不利な損切りにあうなど、デイトレードでは得てしてリスクが大きい方に向かう傾向にあるからです。

そして、取引する通貨の価格を確認します。

トレードスタイルでチェックする時間足は違うと思いますが、執行時間軸の上の時間軸もチェックします。

執行時間軸が5分足や15分足でしたら日足、4時間足、1時間足といった感じです。

日足からサポート・レジスタンスライン引いていきます。
特に注目するラインは前日の高値安値です。

トレンドラインを使用する人は必要があればトレンドラインも引き直します。

ここで、トレンドが発生しているのか、レンジ相場なのか、その境目なのかを判断します。

いろいろな判断方法があります。

たとえば、ダウ理論に照らし合わせるとか、移動平均線の向きで判断するとか、インディケーターの数値で判断するなどです。

ここが手法の一部になるわけですから、人それぞれに検証してルールを作る必要があります。

毎日違う見かたをしていては正しくトレンドの変化を捕まえることができません。

それだけでなく、それを基にしたトレード記録の信頼性もなくなってしまいます。

その後の改善につなげるためにも一貫性が必要だということです。

売りか買いかを決める

上位足や執行時間軸のサポレジ・トレンドを確認したところで、売りでエントリーするか、買いでエントリーするかを決めます。

たとえば4時間足も1時間足も完全な上昇トレンドである場合は、買いでエントリーすることを決めて、ルールに基づく買いエントリーポイントを探すことになります。

日足はレンジ、4時間足は上昇トレンド、1時間足は下降トレンドなど、各時間軸の方向がバラバラで判断がつかないことも多々ありますが、これも過去のチャートや自分の売買記録から、こういった場合は売り、こういった場合は買い、これは見送りなど、はっきりとした判断基準とルールが必要です。

ここでの判断が曖昧だと、トレードの根本である売りか買いかの判断自体に優位性がないことになってしまいます。

エントリーポイントを決める

トレンドかレンジか、その境目かが判断でき、売りか買いかが決まれば、次にエントリーポイントを決めます。

順張り(押目買い・戻売り)手法の場合は、ルール上の押目ポント・戻りポイントを見つけます。

たとえば、上昇トレンドではMA25まで価格が落ちてきてMA25にタッチ後、終値でそれを割らなければ次の足の始値が買いエントリーポイント、などです。

エントリーポイントははっきりとした理由があり、はっきりと説明できなければいけません。

「なんとなく買った」とか「MA25付近まできたから買った」などアバウトではダメです。

再現性が無ければいけません。再現性の無い手法を続けても優位性があるかどうか判断ができないからです。

優位性が確認できない手法を続けて勝ったとしても、それは運でしかありません。立証できないのですから。

エグジットポイントを決める

これもルールによりますが、pipsで決める人はpipsで、サポレジラインやゼロラインなどの節目で決める人は節目でOKです。

大切なのは、損切りポイントと利入れポイントが損小利大になっているか、また、利入れポイントの途中に大きな節目がないかです。

いくら損益比を1:2で設定したとしても、利入れポイントの途中に節目がある場合は利入れポイントまで行かずに反転する可能性が高いからです。

結果的に途中まで利が乗っていたのに、最終的に損切りになってしまう可能性もあります。

損切りポイントも同じです。

損切りまで10pipsと決めていても5pipsの所に大きな節目があるのであれば、わざわざ10pipsまで損を大きくする必要はなく、節目付近に損切りポイントを置くべきです。

リスクリワードがルール内の設定値に届かない場合はエントリーを控えます。わざわざ大きなリスクを負ってまで小さい利益のトレードをする意味がないからです。

エントリーポイントを決め、エグジットポイントを決め、そのリスクリワードを検討して、エントリーするか見送るかを決めるのです。

注文数量を決める

エントリーポイントも決まり、損切りポイント・利入れポイントも決まったならば注文数量を決めます。

これは資金管理による最大許容損失額から決定します。

最大許容損失額を損切りポイントまでのpipsで割ります。

例:10,000円(最大許容損失額) ÷ 0.1(10pips) = 100,000通貨(注文数量)

例:10,000円(最大許容損失額) ÷ 0.14(14pips) ≒ 71,000通貨(注文数量)

例:10,000円(最大許容損失額) ÷ 0.2(20pips) = 50,000通貨(注文数量)

ちなみに、1トレードあたりの最大許容損失額を総資金の1%にした場合に、上記の条件に必要な総資金は1,000,000円になります。

この方法で注文数量を決めると、損切りポイントまでのpipsの大小にかかわらず、損する金額が一定になるので資金をしっかり管理することができます。

トレードプラン表を作成する

ここまでの全てはトレードプランとして紙に記録します。

チャートを印刷した上に落書きのような手書きでもかまいません。

私はエクセルでプラン表兼売買日誌を作っているので、エントリーの根拠と目標の位置、そして最大許容損失額から計算した注文数量をこれに記入しています。

ちゃんとしたプラン表を作成すると、勘でエントリーするような無駄なエントリーが無くなります。

私はこれを無くしただけで、かなりパフォーマンスが改善されました。

それだけ「なんとなくエントリー」や「感情エントリー」、「勘でエントリー」のパフォーマンスが悪いのかが分かります。

エントリーしてエグジットする

トレードプランによるエントリーポイントがきたらエントリーします。

もうプランによって注文数量もエグジットポイントも全て決まっていますから、あとはプランに従って実行していくだけです。

エントリーの後にいろいろと考えてはいけません。

たとえば、「損切りポイントに近づいてきたけれども、勢いがなくなってきたから少しポイントをずらそう」などです。

ポジションを持たないエントリーする前の冷静な感情と判断で全てを決めたわけですから、ここにきてプランを変更してはいけません。

このエントリー後の根拠のないプラン変更がトレードのパフォーマンスを悪化させる原因になるのです。

とにかく、利入れも損切りもプラン表の通りに実行します。

ただ従えばよいのです。

売買を記録する

エグジット後は売買を記録します。

私はデータ収集用の売買記録と、エントリーポイントとエグジットポイントを詳しく検証するためのチャートを印刷した売買日誌を付けています。

売買記録(Excel)には日時、通貨ペア、売買方向、執行時間足、手法の種類、エントリーの理由、エグジットの理由、ミス、メンタル変化の種類、損益(pips)、損益(金額)、メモ、を記録しています。

トレードプラン兼売買日誌(Excel)には必要な項目を売買記録とリンクして、エントリーとエグジットのレート、ロット、チャートを張付けています。

そして、毎週末に自分のトレードを振り返って、無駄なトレードやミスを減らす努力をしています。

月末には一ヶ月分のトレードの集計をとって、「勝率、損益比、PF、勝ち平均、負け平均、期待値」や「成績が悪い時間帯、曜日、通貨」なども含めて分析をするようにしています。

トレードが上達するコツは、上手にやろうとする前に、今現在自分が行っているミストレードを発見し、それを如何に減らしていくか、これに力を注ぐことです。

まとめ

  • トレードプランを作成することで感情トレードがなくなる。
  • トレードプラン作成後は何があってもプランに従う。
  • エグジット後は必ず売買を記録する。
  • 売買を記録することで自分の弱点が見つかる。
  • ミストレード(自分の弱点)を排除するほうが、その他を極めようとするよりも上達への効率がよい。

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