よく、「損小利大こそFXで勝つコツだ!」という話を聞きますが、はたして本当にそれを実現することで資金が少ない脱サラトレーダーは生計を立てていくことができるのでしょうか?
私の場合、「損小利大」を意識しないようしてから、今まで悩んだことがウソのように勝てるようになり、生計を立てることができるようになりました。
どういった葛藤があったのかを説明していきたいと思います。
目次
給料のように毎日収入がないと不安になる心の葛藤
あなたが安定した給料がもらえる仕事をしていて、完全な余剰資金でFXをしているとしましょう。
月初から毎日小さく負け続けましたが月末にトレンドに乗ることができ、大きく勝って月間ではトータルプラスになることができました。
余剰資金でトレードをする場合はこれでもよいでしょう。
大したストレスもかからないでしょう。他に収入があるのですから。
しかし、収入がFXトレードのみの場合は違います。
負けている毎日が大きなストレスになります。小さな負けでもです。
トレードでしか収入を得ることができないのですから、ただでさえ生活していくために毎日出費しているのに、それ以上に出費がかさんでいくのをノーストレスで過ごせるわけがありません。
しかも、結果的に月間プラスで終わることができたとしても、それは結果論でしかなく、実際には月間で収支がプラスになる保障などどこにもないのですからなおさらです。
しかし、トレードは勝ちと負けを繰返しながら利益が残っていくこは理解しています。
ドローダウンの時期があることも理解しています。
検証結果から期待値がプラスであることも理解しています。
しかし、サラリーマン時代に安定した収入で生活してきた経験と記憶から、不安定な収入であることに大きなストレスを感じてしまいます。
最終的に月間収支がプラスになる可能性が高いと解っていながら、その手法を使うとストレスが大きい。
ストレスが大きいと継続できない。
でも、継続しないと検証結果通りのパフォーマンスが出ない。
期待値がプラスの手法が確立し、ある程度月間収支がプラスになった頃から、どうやってこの心の葛藤を解決するかが課題になります。
毎日収入を得られる可能性が高い手法。それは、スキャルピング。
私は最初の頃、15分足を使った順張り手法(押目買い・戻売り)を使っていました。勝率は600回のバックテストで56%、リスクリワードは1:2の手法です。
損切りは10pisp~20pips。利確は20pipsから40pipsと、その日のボラによって変動させていました。
トレンドに乗ると1日で20pipsを3回ほど取ることができ、10万通貨で6万円ほどの利益です。利が伸びそうな時はできるだけ伸ばせるように努力しました。
負ける時は-10pipsを1日で3連敗することも普通にありました。
10万通貨で-3万円です。
3連敗を3日間連続、9連敗した週もあります。
15分足の順張りなので、エントリーサインは日本時間からNY時間まで監視してもよく出て5回程度です。
レンジ相場でトレンドが出ず、1日中サインが出ない日もあります。
ですから、せっかく持ったポジションはできるだけ大きく利食おうと、50pips、100pipsのホームランも狙いました。
この手法でも月間プラスで終了していましたが、毎日の収支に波があり過ぎて、また、連敗が続いた日の不安とストレスに耐えきれず使うのを止めてしまいました。
エントリーチャンスを待つのに疲れたのも理由です。
その後、同じ手法を5分足にチューニングしてみたりしましたが、なかなかストレスを軽減することができません。
それで、どういった時にストレスを感じるのかをトレードノートに詳しく記録することにしました。
その結果、何にストレスを感じているのかがはっきりと解り、手法を1分足の逆張りスキャルピングにすることで問題を解決するとこができました。
給料のように毎日収入が得られる可能性が高い手法、それが1分足を利用したスキャルピングだったのです。
利を伸ばそうと頑張るとストレスになる!?
トレードノートを検証していくとストレスの主な原因は次の5つでした。
① なるべく利を伸ばそうとして失敗した。(上位足のサポレジまでのホームランを狙ったが途中で反転して損切りになる。こんなことなら少しでも利食っとけば良かった)
② 損切りした後に反転して、損切りしたことを後悔する。(ルール通りに損切りしたのに、その損切り位置に納得できない)
③ エントリーを躊躇して見送ったが思っていた方向に動いた。(エントリーしていれば儲かっていたのに儲かる機会を損失した)
④ もう伸びないと思って利確したら、そこからもっと伸びていった。(利食いせずにそのまま持っておけばよかった)
⑤ 結果的にルール通り利確することができたが、途中の上げ下げで一喜一憂する。(こんなに長い時間ストレスに晒されるぐらいなら、最初の第一波で一回利食って再度仕掛け直したほうが楽ではないか?)
その解決方法
①②④は基本ロジックをドテンルールにすることで解決することができました。例えば買いの損切り位置が売りの新規エントリー位置になるわけですから損切りドテンする以外に方法がありません。買いの利確位置も売りの新規エントリー位置なのですから利確するしかありません。利確後に伸びて反対売買のポジションが引かされることになっても、このルールで期待値がプラスなのですから納得・実行するしかありません。
③は明確なエントリーサインを採用し、それをしっかり検証して期待値がプラスであることを脳が理解することで、躊躇することがなくなりました。
⑤は基本ロジックに分割エントリーと再エントリーのルールを追加することで解決することができました。
どこまでも利は伸びない。(そんなにしょっちゅうホームランは出ない)
ボラティリティといものがありあす。
例えばドル円のデイトレで、200pipsの利食いを狙っても、一日あたりの平均ボラティリティが100pipsしかなければ、200pips利食える確率はかなり小さくなります。
突然の要人発言やテロなどの突発的な要因がなければ難しいでしょう。
その通貨のその時々と、ポジションの保有時間に応じた利食い幅、損切り幅というものがあります。
滅多にない100pipsの利食いを狙うよりも、目先の10pipsを確実に利食いした方が、遥かに大きな利益になっていることに早く気が付くべきです。
「素人は損切りができないで死に、プロは利食が小さくて死ぬ。」とよく言われますが、
「利食いは利食い。」
「利食い千人力。」
「利食いで死んだ相場師はいない。」とも言われます。
損切りできなければ確実に資金を失いますが、損切りができるトレーダーが「バルサラの破産確率表」に基づいた勝率とリスクリワードが設定されたロジックを使用していれば「チキン利食い」は最強の武器になると思います。
特に運用資金が少ないトレーダーがトレードで生計を立てていこうとするならば、「損小利大」やホームランを狙わずにコツコツ確実に利を重ねていくことこそが、成功への近道になるのです。
そうしていれば結果的にトレード結果も「損小利大」に、PFも2.0以上になっているものなのです。
まとめ
- 利を伸ばそうとすることがストレスになっていないか?
- 毎日の収支プラスがノーストレスに繋がる。
- その手法はスキャルピング。
- そんなにしょっちゅうホームランは出ない。
- 損切りがマスターできれば「利食い千人力」
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