ある程度取引にも慣れ、エントリールールも形になり始めたあたりで発症するのが「エントリーを躊躇してしまう病」です。
「ここで売りだ!」と待ち構えていたはずなのに、いざとなるとマウスをクリックすることができません。
何回も見送ったあと「ヨシ、ここは間違いない!」と、思いきってエントリーすると絵に描いたような損切りにあいます。
「あーぁ、やっぱり損切りだ・・・。」そして、自信を無くし、その後またエントリーができなくなってしまうという悪循環に陥るのです。
その原因と解決方法を考えたいと思います。
「エントリーを躊躇してしまう病」が発症するまでに経験すること
初心者の頃よりも知識が多くなった
余計な知識はエントリーの邪魔をします。
初心者の頃は大した知識もないので、エントリー時に選択肢がありません。
移動平均がゴールデンクロスしたとか、ゼロラインを越えたとか、ボリンジャーバンドの3σにタッチしたとか、RSIが70にタッチしたとか、だいたいその程度でエントリーを実行します。
しかし、いろいろな本を読んだり、ネットで調べたり、セミナーに通ったりしているうちに、その知識は飛躍的に増大していきます。
今までは単純な条件しか知らないので、エントリーをする理由も単純で簡単に実行できていましたが、知識が増えるにつれ簡単では済まなくなっていきます。
今までエントリーしていたのと同じような買いポイントでも、
・執行時間軸ではゴールデンクロスしたが、上位時間軸は下降トレンド中だ。
・ここで買っても15pips上に直近高値がある。
・買いたいがRSIが70にタッチしそうで売りポイントに見える。
・FX会社のメルマガに今日は売りが有利と書いてあった。
・昨日のこの時間帯は逆張りが有利だった。
こうなると、もう買うエントリーはできません。
しかし、実際にはここからでも上がる時は上がるし、メルマガに書いてあった通りに下がる時もあります。
こういうところから節目を越えてロスカットを巻き込みながら爆上げすることだって多々あるのです。
「ゴールデンクロスで買い」のルールが検証済みのルールであるならば、他のインディケーターの数値やメルマガの情報などに惑わされずにエントリーする必要があります。
知識は非常に大切で必要です。
しかし、その知識はエントリーの時に使うのでなく、エントリー前の分析の段階で利用するべきなのです。
いろいろなことを想定すればするほど、何も実行することができなくなります。
日常生活でも同じです。
大きな損失を経験した
オーバートレードや損切りの遅れなどから、自分が想定していたよりも大きな損失を食らった時は、心の整理がつくまでに時間がかかります。
その経験は恐ろしい分類の体験となり記憶に深く刻み込まれます。そして、ポジポジ病の時はあれだけ躊躇せずにエントリーしていたのに、パッタリとエントリー行為ができなくなってしまいます。
エントリーをする行為は、その行為の後に利益を生む場合もあるのですが、その時にはどちらになるか判りません。
本能はエントリー行為自体が恐怖の体験をした時と同じ行為であるため、拒否の行動をとろうとします。
同じエントリー行為で大きく儲けた経験があるにもかかわらず、本能はリスクを取る行為を避けようとするのです。
ポジポジ病から脱却した
テクニカルの知識も少なく手法についての知識も少ない時期は、無意識のうちに、とにかく手法を試したくなり、また、エントリー後の興奮を味わいたいという無意識の欲求からポジポジ病に陥ります。
しかし、売買日誌を振り返る度に、ポジションが多いことと利益が出ることは別物であることに気づかされます。
エントリー後の興奮や、自分のエントリー行為の正しさを証明するためにFXに参加しているわけではなく、儲けるためにFXに参加しているということが身にしみて解るまでポジポジ病は続きます。
そして、儲けるためには無駄なエントリーがいかに悪であるかが理解できた時にポジポジ病から脱却することができます。
しかし、今度は「このエントリーは無駄なエントリーではないだろうか?」と考え始め、結果的にエントリーの躊躇につながっていくのです。
「エントリーを躊躇してしまう病」の解決方法
「エントリーを躊躇してしまう病」が発症するまでに経験した事、それが原因に関係しているならば次のようになります。
・エントリー時に考え過ぎる。
・大きな損をするのではないかと心配している。
・このエントリーは無駄ではないか(もっと厳選すべきではないか)と考えてしまう。
原因を整理してみると分かりますが、色々と考え過ぎてエントリーができないのです。
つまり、「エントリーを躊躇してしまう病」は、エントリーするときは「考えない・心配しない」ことで改善することができます。
エントリー時に余計なことを考えないでいいようにするためには、事前に計画したトレードプランが必要です。
一貫性のあるトレードをするためには「トレードプラン」が必須であり、エントリーはそれを実行するだけの行為である、ということなのです。
エントリーするまでに全ての分析は終わっていなければなりません。
そして、エントリーするポジションの枚数、損切りポイント、利確ポイントも決まっていなければなりません。
エントリーとは何も考えずに計画したところでマウスをクリックするだけの行為のことなのです。
面倒臭がらずに「トレードプラン」を事前にしっかり準備しておくことで「エントリーを躊躇してしまう病」を改善することができます。
とにかく、なんでもよいので、今の自分のできる範囲でトレードプランを作ってみて、小さい枚数で実行してみましょう。
それを繰り返すことで過去の大損で失った自信を取り戻すこともでき、トレードプランの作成も習慣化することができます。
自分の手法に自信がない場合でも少ない枚数でエントリーを続け、トレード記録を積み重ねながら売買日誌による検証を繰り返すことで必ず結果を出すことができます。
コメント
初めまして。
エントリーポイントで躊躇してしまうのが癖になってしまっています。
環境認識とトレードプランをバッチリ立てているにもかかわらずそのポイント(水平線に差し掛かると)、ダマシで反転していってしまうのではと、躊躇してしまいます。
で、反転せずにそのまま水平線を抜けて、エントリーするポイントを逃し、勢いがあるローソク足を見てどこで入っていいやらとオロオロしてしまう自分がいます。
このオロオロ病を克服したいです。何かアドバイスございますでしょうか?
いこさん、こんにちは。
9/14から9/20までNYに遊びに行っていたので返事が遅くなりました。
エントリーポイントで躊躇してしまう癖ですね!
たぶん、みなさんが通る道だと思います。
エントリーを躊躇する原因として、
1.損したくないという気持ちが強い。
(損切りを心から受け入れていない)
2.手法に自信がない。
(検証不足で心から自分の手法に優位性があると思っていない)
3.練習が足りない。
(損切りが続いても繰り返していけばトータルプラスになるという経験値が少ない)
4.トレードルールが曖昧。
(そもそもエントリールールがはっきりしていない)
だいたい以上のような感じではないでしょうか?
つまり、トレードルールが曖昧で、そのルールの検証も曖昧で、自分のトレードルールを自分で信じきっていないのが原因だと思います。
細かく決められた優位性のあるルールであれば、その時に「たぶん損切りになるだろうなぁ」と思っていても、そのエントリーも含めてトータルプラスになることを心から納得しているので、エントリーしたくないと思いながらも迷わずにエントリーすることができるようになります。
また、損切りになるかな?と思っていても利食いになることも多々あり、その経験が多くなると目先のトレードに自分の予想や恐怖など何の関係もないということが分かってきて、ルール通りにやっていくしかないことが分ってきます。
まず、自分のトレードルールを確立さることが重要で、情報商材でもなんでもいいので、一つのルールを体に染み込ませることが一番だと思います。
デモでよいのでルール通りにトレードをして、結果を検証して、トータルプラスになることをたくさん経験することが必要です。
エントリーしても間違っていたらルール通りに損切りしていけばよいわけで、利が乗ってもルール通りまで伸ばせばトータルプラスになるはずなので迷いは消えます。
つまり、即効薬はなく、自分が心の底から信じられるトレードルールを確立することが必要で、それにはそれなりの時間(経験)が必要です。
これは、トレードで安定して勝つスキルを身につけるためには避けては通れません。
何の仕事でもそうでしょうが、一人前になるまでにはそれなりの時間と経験が必要だということです。
前に進むためには、やるしかありません!
がんばりましょう♪