この前は、MAタッチで勝ったから。
この前は、2σタッチで負けたから。
この前は、抵抗線で逆張りを仕掛けて負けたから。
この前は、抵抗線突破のブレークアウトに飛び乗って勝てたから。
エントリーを躊躇したりポジションに固執したりしてしまう原因に「過去の記憶」があります。
相場に「この前」と同じはありません。
確かに似ているチャートパターンの繰り返しではありますが、そのパターンに似ているからといって、今現在のチャートの右側がそうなるとは限りませんし、どうなるかは誰にも解りません。
それなのに、自分の「過去の記憶」から、また、「自分の思い込み」によってエントリーを躊躇したり、損切りが遅れたり、利確が早かったりしてしまいます。
これがトレードルールを守れない原因のひとつでもあります。
「過去の記憶をクリーニングすること」
過去のトレードと今回のトレードに何の関係もありません。
過去に損切りになったから今回も損切りになるとは限りません。
過去に大きな利確ができたから今回も大きな利確になるとは限りません。
価格というのは、買いの数量が多ければ上がるし、売りの数量が多ければ下がります。
移動平均にタッチしたから反転するとか、±2σにタッチしたから反転するということではありません。
そもそもインディケーターは、価格の終値を計算して遅れて出てくる印であって未来を予測するものではないのです。
今から買おうとしている人が何人で何ロットなのか、売ろうとしている人が何人で何ロットなのか、私たちに知る術がないわけで、これから価格が上がるのか下がるのかを予想するのは不可能なわけです。
上がるか下がるかは本当に解らないのだから、自分のトレードルールのサインがきたら、過去がどうであったかに拘わらずエントリーしてみるしかないのです。
そして、間違っていたらルール通りに損切りする。
利が乗ってきたらルール通りに利確する。
もう、これしかないのです。
検証済みの期待値プラスのトレードルールがあるのであれば、エントリーやエグジットに余計な思考に引っ張られることなく、淡々とトレード作業に集中することが利益を積み重ねていくコツとなります。
それには「過去の記憶」をクリーニングすることが必須の条件となるのです。
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