トレードの本としては分類が難しい本。
しかし必読の本。
トレード手法の本でもないし、トレードメンタルについて解説しているわけでもない。
売買記録というより相場師の人生を綴った相場師自伝といったところでしょうか。
マーケットの魔術師に出ているトレーダーも然り、みなさん必ず通る道を通っているんだなと思いましたし、相場だけで生活を成り立たせるということは、こういうことなんだなぁと思わせる本です。
著者の立花義正氏は株の売買益だけで生活し、死後数億もの遺産を残した昭和の大相場師です。一銘柄だけに集中して分析、売買を行うという株の取引としてはかなり稀な手法だと思います。
自称「パイオニア」。
パイオニアの株だけを見続け、そのうねりに合わせて売買していく。その売買益だけで生活していくのですから、やはり株に限らず日々研究と検証を続け、流れに乗っていく感覚を磨くことが大切だなと思わされました。
大儲けと無一文を繰り返しながら自分の心理と向き合い成長をしていく。それが成功へ繋がっていく。
この本の中で、「ごく単純な売買でさえも、はじめは、自分にできると思っていたほど上手にできるものではない」といっています。
そうですね、FXも本を読んだり勉強を始めてから実践に参加するわけですが、最初から自分が思うように上手くはいきません。
「しかし、一回目よりも二回目、二回目よりも三回目というように上手になっていく、それが自分でも分かる」といっているように、同じことを繰り返して経験していくことで上達するものであり、やはり、実践による経験が重要である、それを記録することも重要であるといっています。
そして経験がだんだん多くなってくると「値動きを感じとる、いわゆる釣りでいう、”アタリ”と同じもの」が少しずつ分かってきた、ともいっています。
この”アタリ”というところが裁量取引ではカギになるのではないでしょうか。
この”アタリ”が分かるようになるのには、やはり検証と経験が必須のようですね。
相場師がどのようにして勝てるようになっていくのか、そして、現在の自分はそれのどの部分に位置しているのか、自分に向き合える本です。
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